小さなテーブルの上に様々な布と小道具によって、一つの世界が 劇が 幕を開けます。ドイツ文学の巨匠ゲーテの書いた戯曲「ファウスト」も、18世紀からの民間伝承の人形劇から始まったものです。さて、本園のテーブル劇は、本園の創立者、初代園長 亀井 和子 が始めたもので、ヨーロッパの教育思潮の実践研究をしたもので、お人形を良く見ると、目や鼻、口が無く、見る人、子どもが、自分のイメージや感情を各自で自由に投影できるのです。毛糸の編みぐるみ、布、質の良い羊毛を使って作られた人形や動物は、色彩、肌触り(触覚)が幼い子には大切です。この小さな劇の世界は、内に大きな力を秘めていて、見ている子どもは絵本の頁の紙の中に溶け込むように見入るのです。幼い子どもには、直接手で触れ、見て、感じ、想像力を拡げる体験が必要なのです。尚、1840年世界で最初のドイツの一地方に幼稚園を開設したフリードリッヒ・フレーベルの幼稚園教育運動は世界中に広まりましたが、フレーベルの「幼い児の内に神性(神の如き性質)を見る」とした理念は、今も本園の「子どものあるがままの姿を大切にする教育」として息づいています。